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#イベントレポート

【クリエイティブ企業 超交流会 in 京都】ゲーム、アニメ業界を超えて、4人の方にお話を伺いました!

2023.12.27

イベントレポート7


〜ゲーム・アニメ・3DCGクリエイターたちと語る、最先端技術が変えるコンテンツ制作〜

トークテーマの詳細・登壇者のプロフィールはこちら

【第一部】パネルディスカッション
まず初めに小宮氏、小山氏をお迎えし、基調対談をしていただきました。
お二人の話をまとめると、
・なぜグラフィニカは研究開発を行うのか
⇒”The art challenges the technology, and the technology inspires the art.” アートとテクノロジーがお互いに進化を促すような関係性が重要だということを念頭に、「アートとテクノロジーが共進化していくような体制を日本に作りたい」という気持ちからR&D(研究開発)をしている。また、それによって新しいアニメの表現を作っていきたい、ということを考えている。今アニメと言って思い浮かぶものをさらに超えて、より多様でまだ見たことのないようなアニメを作っていきたい。だからアートとテクノロジーがインスパイアしあう関係が重要だと思っている。
・なぜ今、アニメR&Dが重要だと考えるのか
⇒ワークフローがアナログからデジタルに変化してきた。今、ようやくテクノロジー(情報技術)とアニメの制作ワークフローが融合する準備が整った段階だと考えている。ここでアートとテクノロジーが共進化していくような体制を作ることによって、今までのアニメの続きを超えて、さらに我々がまだ想像できていなかったような新しいアニメの表現を追求していきたいと思っている。
・アニメ制作現場の実情
⇒アナログ文化が大前提。ここがテレビゲーム業界とは大きく違う点かもしれない。アニメ業界ではR&Dの部門がない会社が一般的で、情報系の人材が全くいないスタジオもある。よって、アニメ業界でR&Dを中長期的に続けることはチャレンジングであるというのが実情としてある。
・今後の展望と課題
⇒アニメ業界はこれからテクノロジーが入っていくとすごく面白くなると思う。ただ、アニメ業界にはR&Dの前例があまりないので、手探りで進めている状態。技術的に未知の、まだ見たことのないようなアニメーションを作りたいので、高い水準の研究をやっていくことが重要だと思っているが、もっと重要なのはアニメR&Dの体制作りだと考えている。

【第二部】トークセッション
テーマ①「ゲーム業界の技術トレンド」
反町氏の話をまとめると、
・ゲームのハードの進化に伴って、やるべきことが増加するとともにできることも増えてきている。それに伴ってデータの大容量化やビジュアルの高精細化などがあり、開発体制がどんどん大規模になってきている。また、ユーザー(お客さん)の遊び方が増えてきており、ニーズが多様化している。この2つの変化に対応していかなければならないので、お客さんに向けて高い付加価値を提供しつつ、効率化をしていかなければならない。
・限られたリソースの中で作家性を出すためには、効率化だけでなくライティングの技術が重要と考えている。
・アニメ業界は、アニメ業界ならではの魅力的な演出だったりクールなテイストだったり、いろんなテイストを出せると思うが、演出的なところは取り入れつつ、どう効率化させるかというところも大切。「この人にしか作れない」ではなく、「だれでも量産できる」ような環境を整えることが重要になってきている。

テーマ②「ゲームエンジンとアニメとゲーム」
小宮氏「ゲームエンジンを使える利点は、“歩いたら勝手に地面がへこむ”といったインタラクティブな反応をアニメーターが手で描こうとするととても大変なのだが、それを仕込める(=勝手にやってくれる)ということと、レンダリング速度の速さだと思う。」
反町氏「アニメ業界の作り方は割と一方通行で、ここの苦労が終わったらここの苦労…という感じ。ゲームエンジンはまず多職種が同時進行しつつ、ここでエラーが出ても戻ることができたり、リアルタイムで進められるので、そこに興味があってぜひ取り入れたいというところとの交流がここ1~2年くらいでかなり密に行われている。」
池田氏「ビジネスの側面で言うと、ゲームの規模が大きくなってきている。大きくプロモーションする際に世界観を一発で伝えるのにアニメは切っても切り離せない存在。認知を一気に高めてそのあとゲームを売っていく。アニメとゲームを同時進行で動かしていくことを思慮しているし、スタンダードになっていくと思う。ゲームエンジンを使ったアニメを作れる会社はすごく貴重になってくるのではないか。」

テーマ③「最先端技術から生まれる今後のコンテンツビジネス」
池田氏「前提として重要視しているのは、技術が進化するのとともにユーザーニーズが多様化したり細分化していくということ。今起こっている流れがスピード感を持って太く動いてくるのではないかと考えている。」

多くの方にご参加いただいた本イベントは、アニメ業界、ゲーム業界の垣根を越えて情報交換ができる有意義な時間となりました。また、セミナー後に開催された交流会でも活発に意見交換が行われ、大変盛り上がりました。