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#イベントレポート

エンタメ社会学者・中山淳雄氏登壇!
「京まふ、『推しと聖地巡礼』でグローバルを目指す次の10年」

2022.09.30

イベントレポート1

KYO-CCE Lab 始動!キックオフイベント in 京まふ2022
エンタメ社会学者・中山淳雄氏による基調講演&トークセッション

(聞き手:キャラクターデータバンク代表・陸川和男氏)

京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)2022連動イベントとして、京都のコンテンツビジネスに興味のある方に向けてセミナーを開催しました。
まず最初に、京都市産業観光局クリエイティブ産業振興室の藤本コンテンツ担当課長より、京まふを始めとしたコンテンツ産業支援や、クリエイター育成に関する京都市の事業を交えたご挨拶をいただき、本題のセミナーに入りました。

基調講演として、エンタメ社会学者で2022年に京まふの10年間を分析した論文を発表された中山淳雄氏を講師に迎え、北米や欧州、アジアにおいてコンテンツ関連企業の売上が急増していること、海外のアニメ消費増大に伴い“聖地巡礼”が世界的な現象になりうること、ファンとのアクセスをもつ重要性、京まふの取り組みと成功などについて、中山氏の広い知見やデータを基に興味深い話を聞くことがでました。

トークセッションでは、2016年から京都の伝統産業等ものづくり企業やクリエイターを対象としたコンテンツ活用ビジネス勉強会を行っている株式会社キャラクターデータバンク代表取締役の陸川和男氏が司会を務め、陸川氏の質問に中山氏が答えるという形でトークを進行。

まず、中山氏は来日したアニメファンは渡航費に見合う商品を買い求めるということや、価値に見合う価格設定の重要さについて言及。無理に海外向けにローカライズしようとするのではなく、日本でヒットするものを海外と同時並行で発信していく大切さを強調されていました。
陸川氏は、アニメとのコラボ商品の開発において、作り手の作品に対する熱量の重要性や、情報発信を含め作り手とファンとの距離を近くしているプロジェクトが成功に繋がっている事例を挙げ、それを受け、中山氏もナガノ氏作の『ちいかわ』を例にとり、
かつての企業ファーストの構図から、クリエイターとユーザーとの繋がりを保存し、企業が表に出ず支援にまわる構図に推移している
と分析し、今後のコンテンツビジネスにおける方向性を示して下さいました。
また、陸川氏は中山氏の論文に触れ、京まふという象徴的なイベントが継続的に行われることでコンテンツの産業振興が機能していると分析。中山氏は、京まふの次のステップの課題として、遠隔地からの来場者を増やせるようにすることが重要だと。

最後に、京都市や京まふへの期待について中山氏からコメントがあり、セミナーは終了。
今回のセミナーでは、コンテンツビジネスに携わるうえで参考になる話がとても多く、特に、海外やインバウンド・マーケットへの大きな可能性があることが分かり、京都のコンテンツ創造・利活用に興味のある企業やクリエイターの方々にとって、今後の作品づくりや商品づくりに活かせる大変有益なセミナーとなりました。

セミナー終了後には、京まふをビジネス視点で見学する「京まふ2022 ビジネスツアー見どころマップ」が配布され、各々、京まふ会場の見学をして頂きました。

ダウンロードはこちらから。
京まふ2022ビジツアーMAP

京まふ2023 ビジネスツアーMAP